私は関東地方の人間、それも電車通勤をしている会社員なので、Suicaを使っている。財布の中身を少しでもすっきりさせたくて、View Suicaカードたるものを使っている。JREポイントが貯まるので、JREポイントに関する情報に対しアンテナが立ちやすい。なので「600JREポイントでグリーン車に乗れる」という内容の広告が視界に入るやいなやで認識できた。この場合のグリーン券購入は乗車前日までだが、真の罠はそこではない。JRの戦略を考察してみたい。
JREポイントとは
まずはこの話。
JREポイントとはJR東日本のポイントサービス。貯めたポイントはSuicaのチャージに変換したり、提携店舗で支払いに使用したりできる。JREポイント利用には事前に申し込みが必要なので、Suicaを持っていれば自動的に付帯されるというのではない。
また、みんな大好きマイナポイントの対象でもある。私はマイナポイント20,000円分を全てJREポイントで申し込み、全て取得した。通勤定期券代は会社負担でどうせ発生するので、実質どころか文字通りタダで20,000円貰えた。マイナポイント受け取りの条件で〇〇円以上支払い、というのがあるが、私にはその条件はあって無いようなものだった。
グリーン車について
JR東日本のHPより、グリーン車に乗れる範囲は上の画像の通り。私も何度か利用したが、普通席よりも全てが遥かに快適。グリーン車内はグリーン車内での自由席なので好きな席に座れる保証は無いし、空いている席自体が無い可能性というのもあり得る。私はそれを見たことが無いが、あり得る話ではある。
グリーン車の中は、新幹線の車両の中を縮小したような感じ。移動時間が長くなる場所に行くなら、心と体への負担を減らすために利用してもいい。目的地までの距離が51km以上なら料金は上がるが、下の料金表の通り金額は2段階までなので、どうせグリーン車を使うなら目的地が遠いほどお得ではある。
時間の質が改善はされるが時間が増えるわけではない、という点に注意。移動時間は短いに越したことはない。
グリーン券の買い方
駅のホームでは、機械にSuicaなどの交通ICカードを置いて目的地を指定し、チャージされている金額が引かれて購入できる。モバイルSuicaならアプリ内で購入可能。
JREポイントで購入する場合はJREポイントアプリで購入(下の画像)。画面の案内に従えば購入できるようだ。
お得に見せかけた功名な罠
前置きが長くなってしったが、ここからが本題。
ポイントとは
JREポイントは1ポイント1円で使えるので、600ポイント支払うのは600円支払うのと同じ。事前料金、51km未満、ホリデー、この3つの条件を満たしでもしない限りはJREポイントでの購入が一番出費が少なく済むのだが、ここに罠がある。
マイナポイントなどの例外はあるが、ポイントが貯まるということはそれ以上の出費が事前に生じているということ。Viewカードのポイント基本還元率は0.5%。還元率を上げるには特定の店を利用することになるので、そこでJRが潤う。定期券購入含めViewカードを使ってもJRが潤う。
JREポイントは後から付与されるもので、JREポイントそのものを直接増やすことができない。これが一番辛い。ポイントをお金代わりに支払いに使うことはできるがその逆、お金を直接ポイントに変換することはできない。それができるサービスもあるが、JREはそうではない。
グリーン車に乗る前提条件
更に、グリーン車に乗る料金は、その区間の普通車にのる運賃に上乗せされている。グリーン券が1,000円なら、区間の運賃+1,000円でグリーン車に乗れるということ。JREポイントを貯めるにしてもグリーン車を利用するにしても、どう転んでも結局JRが儲かる仕組みが出来ている。
JRばかりが一方的に上手い汁を吸うばかりではなくこうして利用者への還元もしてくれているが、それを餌に利用者を増やしたいのではないだろうか?利用者も、そもそもの買い物の仕方さえ間違えなければ損はしない。両者にとっておいしい仕組みを提供する形でユーザー囲い込みの投資をできるJRの企業としての体力が現れている。
今後の見立て
これからもJR東日本には移動手段として世話になるだろうし、どうせ使うなら得をしたい。管理するものは減らしたい。それを心理的にやりやすくしてくれたJRに感謝し、私は今後会社を辞めたとしてもJRを利用し続けるだろう。
JREポイントでグリーン券をお得に買える仕組みを利用したいがそのためにはどうする?と気になり色々考えたり調べたりした私は、危うくJRにとっての美味しい養分になるところだった。日頃のメイン決済手段をViewカードに切り替えると日頃手に入るポイントが下がってしまう。得する幅が狭くなるのであって損するわけではないが、余程恩恵の大きい、金額以上の付加価値が提供されでもしないのなら気乗りはしない。そこは距離感を考えたいところ。
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