ahamo、povo、LINEMOの狙い

お金

通信大手キャリアのdocomo、au、SoftBankがそれぞれ似たような内容のオンライン専用廉価プランを2021年3月に開始した。各キャリア共通の狙いが透けて見えるので記事にしてみる。特にキャリアメール対応を希望する人に読んでもらいたい。

キャリアメール非対応

結論から言うと、キャリアメールに対応することは無いと見ている。対応するデメリットはあってもメリットが無い。

キャリアメール非対応が足枷になり乗り換えられない人がいるそうだが、それが各キャリアの一番の狙いだ。言い方が悪いが、その人達が高い料金を支払い続けてくれる。その人達がオンライン専用廉価プランに乗り換えるということは、その分キャリアの収益が減ってしまう。では何故このような内容のプランが導入されたのか。

それは、ユーザー引き留めのため。大手のキャリアメールに非対応というのは、サブブランド、格安SIMも同じ。キャリアメールを使わない人、iCloudメールやGmailに変更できる人からすればデメリットにならない。そのような人が大手キャリアからサブブランド、格安SIMに乗り換えるのは時間の問題。auからUQ mobile、SoftBankからY!mobileならメインブランドからサブブランドへの乗り換えなのでまだしも、それ以外は言ってみればユーザー流出。格安SIM業者が大手キャリアに支払う料金はあるが、乗り換え先次第ではそれすら0になってしまう。

実際、私がSoftBankからUQ mobileに乗り換える時、SoftBankの人との電話で「乗り換えるならY!mobileにしませんか?PayPayポイント付きますよ。」と言われた(乗り換え手続きは某家電量販店で行った)。

サブブランドでの収益すらなくなるくらいなら、料金が安くなっても引き留めできる方が得策なのだろう。サブブランドを持てない決まりのdocomoがいの一番にオンライン専用廉価プランを発表したのも頷ける。

ちなみに私は、携帯電話を初めて持ったのが2010年3月、高校1年生の終わりで周りより明らかに遅く、またメールでやり取りする相手は悲しいかな少なかった。大学生になってからはLINEやGmailでのやり取りが増え、初ケータイのauメールはいつの間にか無くても困らない程度になっていた。

コスト削減

通信容量20GBもありながら月額3,000円前後で済ませられるだけあって、コストが嵩む要素を削っている。キャリアメール非対応もおそらくその一環。

ケータイショップの運営にも当然、人件費などコストがかかる。ahamoは有料でショップ対応を導入したが、povoとLINEMOはショップ対応無し。ただUQ mobileとY!mobileはショップ対応できるので、差別化を図るためにもこのままでいいと思う。

ユーザーのリテラシーと行動力

私はスマホ関連の事はある程度自分で解決できるが、そうでない人だっている。かく言う私も、UQ mobileへの乗り換えを某家電量販店で行ったのは、今まで家族で揃って別の某家電量販店で乗り換えをしていて、自分一人でする経験をしたかったから。やってみたら、オンラインでできるなと思えた。

乗り換えようと思ったのは、月額料金が高過ぎるから。2年縛りが終わった後の月額料金は9,000円弱もしていた。その時はモバイルデータ通信量が月3GBも無かったため、今思えばコスパ悪過ぎ。通信品質が大手キャリアでなくなる不安はあったが、自分に合わないようならまた大手に戻ればいい、くらいに思って乗り換えた。

実際UQ mobileに乗り換えてみたら、寧ろ使い勝手が各段に良くなったのに月額料金が5,000円以上安くなった。あのままSoftBankを使い続けた場合と比べ、既に60,000円以上得している。

これは、月額料金が高いのを問題に感じ、安くするために情報を調べて知識を付け、実際に乗り換えに動いた成果である。自動的に安くして貰えるなどという、決まってもいない事を勝手に期待してただ待つより動いた方が何か残せる。そう思って行動した。結果、スマホ料金プランについては今もYouTubeなどで情報を集めいつでも良い乗り換え先に乗り換えられるようにしているし、通信費を抑えられるのを積み重ねたお陰でOPPO Find X3 Proという税込118,000円のスマホの購入に対するハードルが多少なりとも下がった。感じる、学ぶ、動く、というサバンナ理論を無意識に実践していた。

大手キャリアの月額利用料金は、高いと10,000円を超える。それが困るがスマホが使えないのも困るのなら、値下げを待つのではなく、知識を付けて行動しよう。ahamo、povo、LINEMOは大手キャリアの通信品質でそれができる、画期的プランである。私がUQ mobileに乗り換えたのはオンライン専用廉価プラン発表より前だったこともあり今のところ乗り換え予定は無いが、是非とも多くの人がオンライン専用廉価プランを利用できるくらいに感性と知識と行動力を身に着けて欲しい。そのきっかけになったのではないかと思っている。

UQ mobileを1年近くつかった感想 | C.リスタルのブログ (talblo-writing.com)

旨い話など無い

既存の料金プランを内容そのまま4割安くして欲しい、などという意見(?)をヤフコメで散々見たが、論外だ。相手に求めてばかりで自分は何もしないのでは、結局自分が損をする。自分の給料や売上が無条件に一方的に4割下がっても構わないのか?

大手キャリアの通信費が高額なのは完全同意だが、大手キャリアとてあくまで民間企業。ボランティアではなく、利益を出すために活動している。基地局整備などの投資額だけで年間数千億円かかるような世界だ。日本の通信環境は世界最強。それでいてサービスモリモリなのだから、大手キャリアの利用料金が高くつくのは当然。簡単そうに値下げを求めるのが理解できない。

そもそも、大手キャリアが内容そのまま料金を4割安くするなんて事を本当にしたら、格安SIM業者が存続危機に立たされる。現に、格安SIM業者がここ数ヶ月で次々開始しているプランは、利益が出るのか心配になるようなものばかりだ。大手キャリアと同じ回線を利用しているので繋がりやすさは同じだが、通信速度はどうしても劣る。特に通勤、昼休み、退勤の時間帯は回線が混み合い通信が遅くなる。それを引き換えに料金が安いのに、通信が速い大手キャリアが単純に4割値下げなんてしたら、格安SIMよりは高いままでも金額以上の価値で大差が付く。

そう考えると、自分が良い思いをしたいからと相手にただ求めるだけというのは、虫が良過ぎる、幼稚な発想だ。これに気付かせるきっかけを作る狙いもあるのではないかと、勝手に思っている。

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