3DSの思い出

ゲーム

2023年3月28日をもって、任天堂はWiiUと3DS用のニンテンドーe-Shopでの販売を終了した。これでニンテンドーe-ShopはSwitchに一本化された。私自身Switchを購入してからというものの3DSを殆ど使わなくなってしまったしe-Shop終了前に買っておきたいソフトは買っておいたが、いざ終了となるとやはり寂しい。それだけ私にとって彩を与えてくれたのだ。私が3DSを購入したのはちょうど10年ほど前なので、この機会に振り返ってみたい。

3DSとは

まずは3DSとは何なのかを簡単におさらい。

発売されたのは2011年2月26日。私は当時高校2年生だった。勿論興味はあったので欲しかったが、受験生になるのが控えているタイミング。小遣いが足りて無かったのもあるが、仮に余裕があったとしてもタイミング的によろしくない。店の体験版コーナーで少し触れてみるに留めていた。

そんな発売直後、東日本大震災が発生。日本中が自粛ムードに包まれ、ゲーム業界も例外ではなかった。流通の機能性が回復してからソフト発売が加速したが、売れ行きのためにも1万円の値下げをせざるを得なかった。ライバルとなるPS Vitaが発売された。その当時はスマホの本格普及が始まっていたタイミングでもあり、基本無料で遊べるソーシャルゲームが台頭した。3DSとセットにする戦略だったはずのWii Uは売れ行き不調で短命に終わる。

振り返ってみれば、3DSはタイミング的に不運を被ることが多かった。3DS自体の問題は強いて言えば、目玉であるはずの3D映像機能は結局使わなくなるくらいだったと思う。

1台目購入

3DSが世に出てから2年以上経過していた大学1年生の3月、私は初バイトで貯めたお金で、なんだかんだありながらも結局3DSを購入した。名前は忘れたがこの色合わせ、実は当時でもなかなか見つからなかった。とあるソフト(名前は伏せる)と本体のパッケージくらいでしか入手方法が見付からなかったので、そのパッケージで購入した。それくらい、どうせ買うならこの色がいいと思っていたし、一目見て気に入った。同封ソフトは開封すらせずに某中古ショップに売った。

貼ってあるシールは、大学時代に仲間内で大阪旅行した時に買ったもの。そういう思い出もあるので、使わなくなっても捨てるに捨てられない。これは3年ほど使用した。

2代目購入

これは大学の卒業式の何日か前に購入したもの。3DSの進化版である、New 3DS。Cスティック、ZL・ZRボタンが追加され、本体性能が向上した。また、3D映像機能は画面を正面から見ないと3D振れと呼ばれる映像の歪みが起きてしまったが、多少横から見ても3D映像を味わえるよう改良された。3D映像機能は結局殆ど使わなくなったけど。ABCDボタンの配色がスーパーファミコンと同じであることに遊び心を感じる。発売から1年以上してから購入した。

ABCDボタンの配色という分かりやす過ぎる伏線を回収するようにNew 3DSにバーチャルコンソールという形でスーパーファミコンのソフトが配信されるようになったのが、ちょうど大学の卒業式を控えた頃だった。3DSにはスーパーファミコンソフトは配信されず、3年使った3DSも流石に劣化を感じていたので、ちょうどいいタイミングだと思って買い替えた。着せ替えプレートが充実していたのも嬉しい。

購入後は社会人となったことで学生時代ほどはゲームをする時間を設けることはできなくなったが、当時は3DSが現役バリバリハードだったので、まだまだ楽しめた。

一番の目的は、スーパーファミコンのソフトを遊ぶこと。翌年にFINAL FANTASY IV ~ VIが配信開始されたのが嬉しくてつい、3本とも配信開始日にまとめて購入した。他にもマリオやMOTHER 2なども何周もした。ポケモンの新作など、3DSのソフトも遊んだ。学生の時ほど時間を取れなくなってしまったなりに楽しんでいた。これも3年ほど使用した。

3台目購入

これは1社目をやめて2社目に入る前に購入した、New 3DS LL。発売から4年以上経過していたしSwitchが発売されてから2年経過していたこともあり、3DSも流石に峠を越えていた。Switchは2社目での仕事が1年続いたら自分へのご褒美で買う、と決めていた。1社目は実質2年も続かなかったので。

このNew 3DS LLを購入したまさにその日、New 3DSのバッテリーが急激に劣化した。買う前ではなく、買った直後の帰りの電車の中でその現象が起きた。結果的に超ギリギリのタイミングで買い替えた。こんな体験は後にも先にも無い。

既に持っていたソフトをより大きな画面で快適に遊ぶために購入した。3DSの新作ソフトがすっかり出てこなくなって寂しさを隠せなくなっていた2019年が、3DS用の新作ソフトが発売された最後の年。その後もe-Shopを3年以上続けてくれたのは任天堂の良心。

このNew 3DS LLを購入したのが2019年3月のことで、翌2020年8月にヨドバシ・ドット・コムの抽選でSwitchを購入できてからは殆ど使っていなかった。通算で3台も購入した3DSシリーズの中で一番使い勝手良く感じていたものが、一番使用時間が少なかった。結果そうなったが、遅かれ早かれ買い替えざるを得ないものではあった。

時代の終わりを感じる寂しさ

3DSが発売された時の私は高校生でまだ子供だったが、DSやWiiが発売された時よりは記憶がある年頃ではあった。多感な時に世に出たもので、自分のお金で買った初めてのゲーム機が1台目の3DSだったりする。ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、DS、Wiiと、それまでは親に買ってもらっていた。アルバイトでも自分で働いて稼いだお金で本当に欲しい物を買う喜びを知ることができた。

そんな3DSの任天堂公式サポートが終了し、e-Shopのサービスも遂に終了した。もうソフトをダウンロードできないのだ。いくらSwitchにハマったとはいっても、3DSが要らない子というわけではない。こうやって公式サービスが終了することは過去に他の任天堂ゲーム機も辿った過去だけにいずれ来たる日なのは避けられないし、2018年くらいからそういう予兆くらいは感じていた。

e-Shopで新規購入はもうできないが、なんと追加コンテンツ、ソフトのアップデート、本体から削除したソフトの再インストールならまだできるのだ。任天堂、本当に良心的過ぎる。

Miiverse

任天堂が5年ほど運営していたSNSであるMiiverse。私が初めて匿名で利用したSNSでもある。なにせスマホより先に3DSを買ったような身。SNSはLINEしか利用していなかった。

自分含め匿名同士で不特定多数と簡単に言葉のやり取りができるというのは当時の私には新鮮だった。ガラケーは買ってもらった時のままネットワーク制限がかかっていたし、家のパソコンは家族共用なので自由に使えることなんて実質無い。自分で買ったゲーム機で、ネットで知り合った人とやり取りをする機会を得られて嬉しかった。良い面も悪い面も色々と聞いてはいた程度だったのが、一気に距離が縮まった感覚。

ただ子供も簡単に利用できてしまうものでもあったので個人情報やネタバレに無頓着な投稿、コミュニティに関係無い投稿を見る機会は少なくなかった。ネタバレといってもグレーなところはあるが、終盤の種明かしを見た時、既プレイのゲームでなかったら一体何を思っただろう、と考えずにいられなかった。幼稚な使い方から大人な使い方まで、色々見た。Twitterで隙あらば自ら炎上の的になる人を見ていると、ああならないための事前学習ができて良かったなぁ、なんて思ってしまう。

2015年にリニューアルされて使い勝手が正直悪くなり私も利用機会が減ってしまったが、2017年にサービス自体が終了。この時も、やはり終わってしまう寂しさを感じた。リアルでも会った人との交流までは無かったので、関わった人とはそれっきり。相互フォローしていた人とすれ違ったことを3DSのすれ違い通信機能で知ったことが1回あったくらいだ。それもそれっきり。フォロワーが100人もいなかった私ですらこれなのだから、人気アカウントの人は一体どうだったのか…。

私にとって3DSの一番の思い出はMiiverseだったと言っても過言でないと思う。新しく買ったゲームの話をする場が与えられたので、ゲームソフトを買う楽しみが増えたのだ。リアルと違って反応してくれる人が一定数いた。私の周りにゲームをする人はいてもゲーム好きまでは全然いないし、人になかなか心を開けない私にとっては、つい気が緩まないようにしないといけないくらいの現象。ゲームが、任天堂が、ゲームを切り口に私を救ってくれた。リアルで世話になった人、良い関わりをしてくれた人とはまた別の角度の話。

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