会社員が副業禁止の規則を守らなくていい理由

仕事

都合のいい解釈だと思われる人がいるかもしれないことは百も承知。服務違反は服務違反。だがやるリスクがあるのと同じように、やらないリスクもある。会社員の副業はするもしないも強いられるものとは思わない。考え方の1つとして、あくまで参考までに。これが正解、などどいうつもりは全く無い。感情では考えない。

あくまで会社員の場合の話

この記事で話すのは、あくまで会社員が副業をすることについて。公務員の場合は国家公務員法によって会社員とは話が変わる。私は法律の専門家でも何でもないので、公務員の副業は厳密に言えば不可能ではないが今回は特に言及しないでおく。

会社員の副業は、会社が禁止したところで法律では禁止されていない。その会社規則に法的拘束力は伴わない。つまり合法。合法とは、違法でない、という意味。会社が従業員の副業を禁止するのもまた同様に合法ではある。どちらも合法なので、どちらが正しい、という話ではない。

会社にはバレなければいい

乱暴な言い方をしてしまえば、そういう問題。

勿論、会社及び本業に支障をきたさない範囲での話。副業に夢中になり過ぎて睡眠不足や寝坊遅刻してはいけないし、会社での仕事は集中しなければならない。何より、納税や内部情報など本当に守るべき事は守らなくてはならない。そこは絶対に守る。

そのような本当に守るべき事を守っていれば、万が一会社に副業がバレても会社側への被害や損失は全く無い(感情論は除く)。その上で、バレなければいい。

バレたら何かしら注意や処罰はあるかもしれないが、それは会社が決める事。受け入れるしかない。副業をやっているのは自分。服務違反をしているのは自分。バレてはいけない相手にバレる隙を作ったのは自分。やるリスクを自ら冒すことを決めた以上は自己責任。

やらないリスク

副業をやるリスクはあるが、副業をやらないリスクというものもまたある。これは副業に限った話でもない。どれだけリスクを嫌って「リスクがあるからやらない」なんて言ってみたところで、今度はやらない方のリスクが発生する。ゼロリスク信仰はその点、根本がズレている。

副業をやるリスクについては先述したように、時間管理の難しさ、税金の申告ミス、会社情報の流出などが考えられる。また、同業他社に直接利益になるような事は勤務先企業を苦しめ自分に返っても来るので、それは流石に避けた方が良いだろう。

では、会社員が副業をやらないリスクとは何か?一番は、会社都合での失業や減給などに対し完全無防備であること。いくら給料だけを貯金だけしたところで、入って来る分が途絶えてはもう減る一方なのでいずれ尽きる。私が受給していたように失業保険はあるが、いつまでも続くものではない。結局はただ問題を先送りにしているに過ぎないのだ。

過去記事で何度も話しているが、私が以前勤めていた会社はコロナ倒産した。 その数ヶ月前には一部従業員のリストラがあったし、夏のボーナスは出なかった。こういった現実を実際に経験しておいて何故備えることを考えもしないのか、私には全く理解できない。会社と自分、どちらが大事なのか?会社が倒産した時、会社の規則だからと副業をやらない姿勢でいた人と、会社にバレないように副業をしたいた人、その後により備えられるのはどちらか?

どんな会社も、理論上は破綻・倒産する可能性が必ずある。そもそも事業とはそういうリスクを最初から抱えている。事業がリスクだらけであることは、実業家の話を聞くだけでも、私ですら想像に難くない。事業に従業員として携わることで得られる収入を頼りにすることもまた、実はリスクのある行為なのである。

また、仕事の内容が合わない、人間関係が合わない、というかつての私のような事態が発生してしまった時、収入源が勤務先からの給料1本しかないのでは自分から辞めるに辞めにくくなってしまう。

副業が上手く行っていても会社を辞めるのは簡単に決められるような事とは流石に思わないが、辞めにくいにしてもせめて少しでも抵抗が少ない状態、抵抗が少なくなる理由は作っておいた方が良いだろう。私は1社目での仕事が本当に何をやっても上手く行かず、それが原因で上司からの当たり方も次第に厳しいものにならざるを得なくなっていた。

収入源が1つしかない、という状態が既にリスクを冒している状態なのだ。収入の額も勿論重要だが、収入を途切れさせないために収入源を複数持っておく努力姿勢もまた重要なのである。

時代は変わった。時代は変わる。

私が大学を卒業して、就職という形で社会人として働くようになったのは2016年のこと。それより前の時代の働き方というものは何も経験していないので知らないのだが、少なくとも昔ながらの感覚や考え方がいつまでも通用すると思ってはいけない。現代の感覚や考え方も同様で、いずれ通用しなくなる可能性はあり得る。

昔は「会社が絶対」みたいな考え方が一般的だったらしいが、今は良くも悪くもそうではなくなっている。誰もが知るような日本屈指の大企業ですら、終身雇用を約束できないという話をしたり、自主退職の選択肢を従業員に与えたり、大量解雇までしたり、といった事が現実に起きた。そういう時代が訪れているのだ。

貯蓄や節約は勿論重要で有効な対処方法であることは間違いないのだが、それだけではやはり収入が途切れてしまったら、悪く言ってしまえばただの先送りに過ぎない。根本的対策として、収入源を複数持っておくに越した事は無い。

収入源が1つ無くなってしまっても他の収入源があれば、仮にそれでも赤字でも黒字回復までの時間稼ぎとして機能してくれる。資産が尽きてしまう可能性を完全にゼロにはできなくても、その可能性を少しでも下げる努力をする。これをリスク管理というのではないか。

ただでさえ働き方、人生設計の在り方が変わりつつあったところに、コロナ禍が良くも悪くも追い打ちをかけた。考え方も行動の仕方も、それに伴って変えなければならない。会社が一生を約束するかのように従業員の面倒をあれもこれも見てくれた時代が昔はあったと聞くが、今はそうではない。

今を生きるなら、今に合わせ、今に適応するしかない。その上で「今」を利用できる者が、今の時代に強い。それは人類の歴史が証明している。将来があって今があるのではなく、今があって将来がある。決して戻らない過去を生きるのでもなく、勝手に将来を生きるのでもなく、今を生きる。

言い訳してでも変わろうとしない、何もしようとしない人と、必要性を自分の頭で考えてさっさと行動する人、未来があるのはどちらか?どちらの姿勢が、変化に適応できるか?

会社員という立場で会社が禁止している副業を、やるリスクとやらないリスク、どちらを選ぶか?決めるのは自分自身のみ。この選択に正解は無い。正解があるとしたら、後から結果的にそう分かるだけ。

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